今回は「事業所単位の期間制限の起算日」ついてご説明いたします。

平成27年9月30日に派遣法が改正されまして、それまでの

「業種ごとに派遣期間の制限を設ける制度」を撤廃して、

 

 

の2つの制度が設けられました。

 

「事業所単位の期間制限」は、部署や派遣会社を問わず、事業所全体

で派遣労働者を受け入れられる期間が3年まで

 

「個人単位の期間制限」は、Aという派遣労働者が派遣先の

同じ部署(組織単位)で働ける期間が3年まで

 

という制度です。

 

この「事業所単位の期間制限」は、一定の手続きを行えば延長することが

出来ることは前回説明いたしました。

 

今回は、「労働者の過半数代表者」の選任方法について説明したいと

思います。

 

ちなみに「労働者の過半数代表者の選任方法」と記載していますが、

「事業所の労働者の過半数で組織する労働組合」がある場合は、

その労働組合に意見を聞かなければいけません。

 

「労働者の過半数代表者」の選任方法については、簡単です。

皆様の事業所でも労働者の方に残業をしてもらえるようにするために、

時間外労働の労使協定(いわゆる「36協定」)を締結されていると

思いますが、その方法と殆ど同じです。

 

事業所単位の期間制限の意見聴取を行うための労働者代表者の選任方法

で、気を付けなければいけないことは次の2つだけです。

 (1) 36協定締結の場合とは、事業所(場)の考え方が異なる

 (2) 改めて、労働者代表者を選任しなければいけない

ということです。

 

事業所単位の期間制限の延長手続きは、各事業所ごとに行わなければ

ならないとなっています。

 

では、その各事業所とは、ずばり、「雇用保険の適用事業所」ごとを指します。

 

例を挙げて説明すると

 

 

(例 1)

派遣先の会社が「大阪本社」と「兵庫支社」で構成されている会社の場合、

原則的にはそれぞれが、雇用保険の適用事業所になります。

 

この場合、それぞれが派遣法上も「事業所」と考えるので、もし、

「大阪本社」と「兵庫支社」にそれぞれ派遣労働者を受け入れている

場合は、「大阪本社」と「兵庫支社」それぞれで労働者代表者を選任し、

意見聴取を行わなければなりません。

 

 

(例 2)

例1と同じように、派遣先の会社が「大阪本社」と「兵庫支社」で構成

されている会社があったとします(それぞれで派遣労働者を受け入れ

ている)。

 

しかし、この会社は「兵庫支社」は、雇用保険の適用事業所となる

能力を有していないとして、管轄のハローワークに

「雇用保険の非該当承認」の手続きを申請して、ハローワークがその

申請を承認した場合、雇用保険の適用事業所としては、大阪本社だけ

となり、兵庫支社は大阪本社の傘下に入ることになります。

(つまり、雇用保険の適用事業所番号は大阪本社しかもっていない場合)

 

この場合は、事業所は、大阪本社と兵庫支社を合わせた法人全体が

1つの事業所と考えるので、過半数労働者の代表者は法人全体の

過半数労働者の代表者を選任しなければいけません。

(本社だけの過半数労働者の代表者ではダメです!)

 

 

また、今回の「事業所単位の期間制限の延長」に係る過半数労働者の

代表者の選任は、36協定などの代表者をそのまま据えるのではなく

改めて、「事業所単位の期間制限の延長」のための代表者の選任で

あることを通知した上で選任していただかなければならないことにも

ご注意ください(もちろん適正な手続きを取った上で、結果として

36協定の代表者と同じ場合は問題ありません)



(資料)
 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(平成30年7月6日以降)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_h24/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成27年労働者派遣法改正法の概要」

 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000098917.pdf