コロナ関係(派遣契約の中途解除による派遣労働者の賃金の支払い 派遣元向け)

今回の新型コロナウイルスに関するQ&Aが厚生労働省から発表されています。

 

 

 

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html#Q9-1

 

 

 

上記のQ&Aは毎日のように更新されていますので、最新の情報をご確認ください。

 

上記Q&Aの中から派遣事業に関係のあるものについてご紹介したいと思います。

 

 

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)

9 労働者派遣

<労働者派遣契約の中途解除等について>

問3

(対象:派遣元)

改正新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言下における都道府県知事

からの要請・指示等を受けて事業を休止した派遣先から、労働者派遣契約の中途解

除を申し込まれているが、派遣元としてどのような対応を行うべきでしょうか。

 

答 

「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)及び(4)により

、派遣元事業主は、ある派遣先との間で労働者派遣契約が中途解除された場合であ

っても、労働者派遣の終了のみを理由として派遣労働者を解雇してはなりません。

派遣先とも協力しながら派遣労働者の新たな就業機会の確保を図り、それができな

い場合はまずは休業等を行い雇用の維持を図るとともに、休業手当の支払等の労働

基準法等に基づく責任を果たすことが必要です。

また、労働者派遣法第30条に基づき、派遣先の同一の組織単位での派遣就業見込み

が一定期間以上である派遣労働者については、派遣先への直接雇用の依頼、新たな

派遣先の提供などの雇用安定措置の義務(※)が生じます。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う経済上の理由により事業活動の縮小

を余儀無くされた派遣元事業主が、派遣労働者の雇用の維持のために休業等を実施

し、休業手当を支払う場合、雇用調整助成金が利用できる場合がありますので、こ

れを活用すること等により、派遣労働者の雇用の維持を図っていただくようお願い

します。

※ 派遣就業見込みが3年以上の場合は義務、1年以上3年未満の場合は努力義務

  となります。

 

 

筆者解説

 今回の新型コロナウイルスによる都道府県知事からの自粛要請によって派遣先が

休業した場合、派遣元は派遣労働者に対してどのような対応を図らなければいけな

いか?という質問です。

 まず、派遣先が都道府県知事からの自粛要請を受けた場合、派遣先は事業を休業

する可能性が高くなります。

 そうした場合、派遣料金額の支払いはどうなるかというと、派遣法上、特に契約

料金の支払いについて規定されていないので、派遣元と派遣先で話し合って決めて

いただくことになります(話し合いがうまくいかない場合は裁判等で争っていただ

くことになります)。

 次に問題となるのが、派遣先に休業されると派遣労働者は派遣就業できないこと

になるので派遣労働者の賃金はどうするのか?という問題が発生します。

 今回の場合、上記の「新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)」

「4 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、特別休暇など)」「問7 新型

 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず

休業とする場合等にどのようなことに心がければよいのでしょうか。」にも記載さ

れていますが、派遣元が派遣労働者に対して休業手当(会社が労働者を会社都合で

休ませた場合に派遣労働者に対して支払う一定の賃金のことをいいます)を支払わ

なければいけないかどうかということで頭を悩まされている派遣元も多いのではな

いでしょうか?

 休業手当の支払いについては不可抗力による休業の場合は、使用者に休業手当の

支払義務はありませんが、不可抗力による休業と言えるためには、

 ①その原因が事業の外部より発生した事故であること

 ②事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができ

  ない事故であること

という要素をいずれも満たす必要があります。

①に該当するものとしては、例えば、今回の新型インフルエンザ等対策特別措置法

に基づく緊急事態宣言や要請などのように、事業の外部において発生した、事業運

営を困難にする要因が挙げられます。 つまり①については要件をみたしていること

になります。 

②に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を最大限尽くし

ていると言える必要があります。具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例え

ば、 
 ・ほかの派遣先を紹介する努力をしたか

 ・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていな

  いか
といった事情から判断されます。

したがって、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、要請

や指示を受けて事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、一律に労働基

準法に基づく休業手当の支払義務がなくなるものではありませんが、上記のことを

行ったにもかかわらず、休業させた場合は休業手当の支払いは不要となる可能性が

高いでしょう。

 

ただし、派遣労働者の方も生活があるので、法律に違反しないからいいということ

だけではなく、なんとか派遣労働者の方の生活のことも考慮していただき、雇用調

整助成金等の助成金の活用も是非ご検討ください!

 

 

 

雇用調整助成金については以下のサイトをご確認ください!

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html

 

 

 

(資料)(以下のリンクはR2.4.15に更新しています)

 厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2020年4月)」

 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf

 厚生労働省 「平成30年労働者派遣法改正の概要<同一労働同一賃金>」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000594487.pdf

 厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」

 https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf

 厚生労働省 「労使協定方式(労働者派遣法第30条の4)「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準」について」

 https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf