令和3年1月1日に派遣法の改正がありました。
主な改正内容は以下のとおりです。
① 派遣労働者として雇用しようとする際に説明する事項の追加
(令和3年1月1日)
② 日雇派遣における労働者派遣契約の解除等の措置(令和3年1月1日)
③ 労働者派遣契約の電磁的記録による作成(令和3年1月1日)
(上記画像をクリックすると厚生労働省のホームページに移動します)
今回は、
③ 労働者派遣契約の電磁的記録による作成(令和3年1月1日)
について解説させていただきます。
労働者派遣契約書には基本契約書と個別契約書がありますが、派遣法が規定してい
る労働者派遣契約とは通常、「個別契約書」をのことを意味します。
この個別契約書については、労働者派遣法施行規則第21条第3項に「書面に記載して
おかなければならない」と規定されており、今までは書面での作成が原則とされてい
ましたが、令和3年1月1日より、書面によらず、電子計算機に備えられたファイル
に記録する方法又は磁気ディスク等をもって調製する方法により作成を行うことがで
きるようになりました。
具体的には、
電磁的記録により当該書面の作成を行う場合は、電子計算機に備えられたファイ
ルに記録する方法又は磁気ディスク等をもって調製する方法により作成を行わなけ
ればならない。
また、電磁的記録により当該書面の保存を行う場合は、次のいずれかの方法によ
って行った上で、必要に応じ電磁的記録に記録された事項を出力することにより、
直ちに明瞭かつ整然とした形式で使用に係る電子計算機その他の機器に表示し、及
び書面を表示できるようにしなければならない。
(a)作成された電磁的記録を電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディス
ク等をもって調製するファイルにより保存する方法
(b)書面に記載されている事項をスキャナ(これに準ずる画像読取装置を含
む)により読み取ってできた電磁的記録を電子計算機に備えられたファイ
ル又は磁気ディスク等をもって調製するファイルにより保存する方法
と労働者派遣事業関係業務取扱要領に記載されています。
(厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2021年4月) p136」)
要するに、昨今のペーパーレス化の流れで、契約書等についても電子契約になり
つつあるため、個別契約書も電子契約としていただいてもいいですよ!ただし、
必要な場合にすぐに紙に打ち出せる方法じゃないとだめですよ!ということにな
ります。
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拙著「労働者派遣契約の結び方」をご購入いただいた方につきましては、令和3年1月と4月に行われた派遣法改正に対応した派遣関係書類を税務経理協会様のホームページからダウンロードしていただけます。
本書は、3年間、大阪労働局の需給調整事業部(派遣法の指導監督を行っている部署)で需給調整事業専門相談員として派遣会社や派遣先の企業、社労士や弁護士の方からの相談業務を担当していた筆者が、労働者派遣法のことが全く分からない方や派遣業務が未経験の方でも簡単に派遣関係書類が作成できるよう、記載例も掲載しわかりやすく解説させていただいています。
派遣元の担当者の方や派遣先の担当者の方、社会保険労務士の先生方など派遣業務に携われる方は是非、ご一読ください!
本書は専門書のため、ジュンク堂書店や紀伊国屋書店等の大型書店にてお買い求めいただけます!
(資料)
厚生労働省 「労働者派遣事業関係業務取扱要領(2021年4月)」
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou_2020/dl/all.pdf
厚生労働省 「不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(労働者派遣業界編」
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000501271.pdf
厚生労働省 「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和2年度適用)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000595429.pdf
厚生労働省 「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(令和3年度適用)」
https://www.mhlw.go.jp/content/000685419.pdf